2-1、漢方での不妊症(不孕)の腎虚の体質傾向
漢方医学では女性は生命の源である腎の気が7年の周期で体調が変化します。
腎の気はもともとに生まれつきの体質や遺伝、体力的に無理をしすぎたものです。
〇生まれ持った腎の気
腎の精気といわれる人間本来生まれ持った気が任脈(にんみゃく)・衝脈(しょうみゃく)に働きかけて初潮がはじまりますが、生まれ持った体質であっても、漢方薬や養生によって、完全とまではいかなくても、快適に過ごせる状態を作っていきます。初潮が遅いというのは腎の精気がもともと少ない場合は漢方薬の腎を補う薬や腎の気を補うツボ療法が必要です。
〇本来最高の腎の精気を発揮する年齢
28歳頃で出産されるもが女性として最盛期とされます。しかし、多様化した女性の社会進出や時間の不規則な仕事や食事の多様化により本来の人間がベストとされる年齢では出産が難しくなりつつあります。
最近、よく言われることが女性も働き過ぎによって、本来東洋医学的には男が陽の性質を持ち外で働き、女性が陰の性質を持つので家で家事や子育てを行うが伝統であり、逆転してしまっている家庭まで出てきました。
血の原理を考えれば、本来、肝で作られて貯蔵される血が全身を巡り、女性でいえば、血の道たる子宮に回る血が仕事やストレスなど頭で消費されてしまい、子宮まで血がいかないということが多々あると考えます。
〇働く女性がそろそろ出産を望む時期
腎の精気は35歳より生殖機能が衰え42歳から白髪も増えはじめます。
漢方相談ではこの時期の方の相談が多数を占めます。
結婚をして、仕事もして、仕事も脂がのってくる年齢です。この時期から、東洋医学では腎虚という症状が現れてきます。
特に腰の重だるさや生理の血の量が少しずつ減ってきます。
しかし、妊娠を諦める必要はありません!漢方の世界では腎の気を補うという研究はされてきています。
また、体外受精など、西洋医学の研究発展も目覚ましい時代です。
生理周期に合わせて、漢方を服用することで、今まで感じたことのない体調の改善を実感できるとも思います。
漢方の不妊症と体質傾向
●腎虚(じんきょ)・・・老化・先天的な病気や仕事のし過ぎ
1、腎陰虚
この体質は身体に熱がこもりやすい体質で、生理周期が通常より短くなりやすく、のぼせも出やすいです。
基礎体温表も高めの出やすいのが特徴です。
2、腎陽虚
この体質は新陳代謝が悪く、冷え性で、生理期間が通常より長くなりやすいです。高温相になるのも日数がかかり、生殖機能の低下(黄体機能不全、機能低下)、しいては無排卵になりやすいのが特徴です。
*共通点として、腎虚には酷いと、腰や膝のだるさ、耳鳴りなどもあります。