5、習慣性流産(不育症)と漢方治療
習慣性流産について
せっかく妊娠出来ても、流産を繰り返してしまう場合があります。
流産のパターンにもよりますが、原因がはっきりせず、解明できていない場合も多々あります。
習慣性流産には(抗リン脂質抗体)や染色体異常・子宮形体異常・内分泌異常・精子の異常・凝固因子異常ストレス・など原因がある場合もありますが、そういうはっきりとした原因が無ければ不育症と同様に考える場合が多いと思います。
習慣性流産で多い漢方的原因はお血(血の滞り)であると思います。
そのためお血の改善を行う場合があるのです。
習慣性流産の治療は通常の不妊治療と同様ですが、体質改善にプラスしてお血薬が必要な場合があります。
また習慣性流産の方が妊娠された際にはその時点で体質改善の薬から流産止め(安胎薬)へ薬を変更するのが一般的です。
抗リン脂質抗体があると、血栓症が起こりやすく、反復性流産・死産、あるいは血小板減少症などの臨床所見を起こす場合があります。妊娠週数が進むと、胎盤内やその周辺の小さな血管が形成され、血管がつまってしまうと、子宮胎盤循環不全(血流障害)を起し、流産や死産につながると考えられています。
漢方と高リン脂質抗体について、
抗リン脂質抗体に用いる漢方薬もありますが、十分確立していないように思います。そのため、病院での治療を併用されることが良いと思います。良く病院で処方されるものは、副腎皮質ステロイドホルモン、低用量アスピリン、ヘパリンなどです。
抗リン脂質抗体が陽性でも漢方治療を併用することで、妊娠出産に至るケースは多いと思います。