牛黄(ごおう)
日本の漢方薬の最高峰である牛黄(ごおう)は、高値で取引される代表格です。
牛の胆嚢の中に生じた結石で、胆汁酸、ビリルビン系色素などが主成分ですが、合成は今だできないとのことで、牛数千頭に1頭からしか採取されないとされており、中国では皇帝に献上されていたと言われます。
その為、牛黄(ごおう)単独で効果を出すことはコスト面がかかるため、他の生薬と配合して通称牛黄製剤として流通しております。
漢方の本物と偽物は味や匂い、見た目で判別するものであることから、漢方を愛用する患者さんは漢方薬局で、少量でも服用してみる価値はあると思います。
現在の産地はブラジルとオーストラリアが有名です。
牛黄は中国では最古の薬物書「神農本草経」で「命を養う名薬」として紹介されており、現在では、牛黄を「芳香開竅薬」という分類がされております。身体の穴に作用し心臓や意識の回復に役立つという意味があります。
牛黄がよく配合されるもの
脳卒中の薬、滋養強壮剤、強心剤、小児の疳の虫の薬、風薬など、
用途はかなり広いものとなります。
作用
・鎮痙(ちんけい)作用
内臓の筋肉の痙攣だけでなく、手足の筋肉などの骨格筋の痙攣をとります。
・血圧調節作用
血流を良くして、血圧を正常に調節します。
・強心作用
心筋を元気にして収縮力アップさせることにより、強心作用を発揮させ疲れやだるさ、動悸やめまいなどを解消します。
・利胆作用
胆汁の分泌を促進し、肝臓の調子を整えます。
・鎮静作用
緊張を和らげて、イライラ不眠を解消します。
・解熱作用
風邪で熱が下がらない時に風邪薬に配合することで解熱を促進します。
大阪のお金持ちは漢方は飲まなくても牛黄(ごおう)は飲むと言われるほど、高級かつ効果的な生薬です。
また、競馬の馬に人間の10倍量飲ませることで、持久力アップを行うとされております。